最近、文字を書いていますか?
仕事でも日常でも、文字はメモ程度で、あまり書かなくなったという方、多いのではないでしょうか。
時代の流れなので、仕方ないところでもあります。
パソコンにスマホ、使いこなすのも大変ですよね。
でも。
今回は、それでもあえて『文字を書く』ことをオススメしたいと思います。
いいことがたくさんあるのです。
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まず、何か書いてみましょう
ノート(チラシの裏でも何でもOK)を広げてペンを持ってみます。
手続きなどで、自分の名前や住所などを書く機会は、みなさんも多いと思いますが、それ以外の長い文章はどうでしょうか。
「書くことが何も思いつかない」
とおっしゃる方は、冒頭のこのサイトの文章でも、あるいは今日の出来事でも大丈夫です。
ふだん書かないような文章を書いてみてください。
どうですか。
思った通りにきれいに書けましたか?
私も自分でやってみました。
できるつもりだったのに、手が思うように動かせず、情けなくなりました。
ある文章の一節を、そのまま写して書いてみたのですが、細かい文字が整わないし、変なところに力が入り腕がこって書き続けられない。
これは想定外の出来事でした。
文字を書くには、たくさんの機能を使っています。
文字じたいをイメージして、書く場所を認識、手先を動かして実際に書く。
簡単なようですが、実は複雑な工程です。
そして、この1つ1つがきちんと機能しなければ、いろんな不都合が起こりえます。
脳の働きは維持できるのでしょうか
脳の機能を維持することは可能と言われています。
身体の機能は、いつかは低下します。
それはある意味、生き物としては避けられないことです。
ですが、年齢を重ねても、日々のトレーニングで現状維持だけでなく、さらに能力アップも期待できるのです。
老化現象や脳の働きについてはわからないことも多く、いまだに新しい見解や、老化防止対策が提唱され、書店やネットにあふれています。
みなさんも、ご覧になったことがあるかと思います。
そんな中、ほぼ定番化しているのが、いわゆる「脳トレ」です。
脳トレとは、脳に過度な負担をかけない、簡単な計算やパズル、間違いさがしなどを、コツコツ繰り返すトレーニングのことです。
一時期、「脳トレ」をしても、脳の処理能力や記憶力を維持する役には立たないと、それまでの定説を覆す話もありました。
しかし、その翌年にはまた、「やはり効果あり」との見解が示されました。
パズルなどに定期的に取り組んでいる人の方が、脳の処理能力が高く維持されていたのです。
『脳トレ』の基本は
「脳トレ」はいつでもはじめられます。
- できるだけ毎日コツコツと続けること
- 飽きないように何種類かをローテーションする
- 苦手だと感じたトレーニングはしなくていい
これらのことをふまえて、短時間集中して行うこと。
そして、続けることが肝心です。
嫌なことを無理やりするのはストレスですし、続きませんよね。
1つのことだけでは、たいてい慣れた頃に飽きてしまいます。
好きなことを選んで、できれば時間を決めて毎日取り組みましょう。
たとえば、パズルの本は100円ショップでも売っています。
スマホをお使いなら、無料のアプリもありますので、ぜひお試しください。
書店では本格的な脳トレの本が揃っています。
くり返しますが、好きな問題、得意な分野で長く続けるのがコツです。
脳トレは焦らずに、じっくり取り組みましょう。
生活の中で簡単にできる脳の活性化
「脳トレ」以外にも、とても簡単にできる「脳の活性化」に役立つことがあります。
それが冒頭でお話した、文字を書くことです。
書くという作業だけでも、手を動かすように命令する場所、位置関係を教える場所、「文字」をしまっている場所など、脳のいろんなところが活動します。
その結果、
- 集中力が増す
- 考えを具体化できる
- 記憶の維持や定着がすすむ
など、脳の機能の維持が期待されるのです。
生活の中で、書くことを増やせば、自然と脳を使うことになります。
できるだけ日記をつけたり、趣味(のちほどご紹介します)にしたり、集中して書く作業に取り組んでみましょう。
さらに「書くこと」の良い点は、手先の動きをコントロールすることにもあります。
文字を書くことで、効果が期待される「脳が活性化」は、単に、脳の処理能力だけではありません。
体を使うという神経系の伝達機能の活性化でもあるのです。
手先の細かい作業は、私たち中高年世代だと、比較的早く衰えが実感される機能です。
「字が上手だった」と自負している方も、書き続けていないと、やはり手先の器用さは年齢とともに衰えて、今の生活の中での最低限の行動や習慣を維持するだけになってしまいます。
文字を書くために必要なのは、
- 出来上がりの文字をイメージする
- バランスを考える
- その通りに指を動かして書く
この一連の動作です。
ふだんは意識することなく、すんなりとこなせていることですが、見慣れない漢字、初めて使う道具、失敗できない書類など、あらためて動作を確認することによって、右脳も左脳も活発化します。
「書く」という作業に集中するための方法を、つぎにご紹介します。
『書く』ことを趣味にしよう
日記を書くのが、一番取り組みやすいように思えますが、いかがでしょうか。
毎年、年頭1月最初の一週間だけで、あとが続かないという話もよく聞きます。
文章は長くなくてもいいのです。
1日を思い返して(ここが大切です)、出来事や気づいたことを箇条書きにするだけでも、脳はじゅうぶん働きます。
でも、「書くほどのことはそうそう起こらない」方も、多いかもしれません。
平和なのはいいことです。
そういった方向けのご提案です。
いっそのこと、書くこと自体を趣味にしましょう。
●日常でも使えるデザイン系▶︎▶︎カリグラフィー、ハンドレタリング
カリグラフィーは独特のペンと書体を用いた、言わば西洋の習字です。
ヨーロッパの古書のような趣のある書体です。
一方、ハンドレタリングは「手書き文字」全般を意味しますが、今流行りの手軽なアートです。
ともに、ボールペン字などの日常の文字とは違いますので、手本を使った練習が必要です。
右脳も左脳も使い、かつ趣味としての世界も広がります。
道具を探したり、教室に通ってみたり、また看板や広告などでヒントを見つけることもあるでしょう。
この「新しいことがはじまる」という点も大切です。
新しい経験は脳への刺激となります。
●精神の集中▶︎▶︎写経
写経もまた、単に文字を写すだけではない、重要な要素を含んでいます。
私yamakoもしたことがあります。
写経は非常に時間がかかります。
かつ、集中します。
般若心経を書き終えるのに、1時間くらいかかりました。
ですが、終わりがはっきりしているので、達成感や充実感があります。
筆を使うのも、良い刺激になります。
ペンと違って、扱いがむずかしいですよね。
子供の頃の習字の時間を思い出しました。
心を落ち着けないと、そのようなダラけた字になりますし、きちんと集中すると「おおっ」と感動するくらい見栄えのする出来になります。
書き終えたら、お寺さんに納経もできますので、頑張ってみてはいかがでしょうか。
ちなみに、いろんなタイプがありますが、オススメは字が大きめで楷書体のもの、手本が薄く印刷されているものなどです。
慣れるまでは、小さな漢字をきちっと揃えるのは、かなり難しく、挫折する可能性大です。
筆は、筆ペンでも、自分で墨をすっても、どちらでもいいと思います。
知り合いで「墨をするところから精神集中」という方もいらっしゃいます。
いろんな筆ペンを試すのが楽しいというお話もあります。
写経には、独特の緊張感がともないます。
作法もありますし、基本的に書き間違いはだめだからです。
書き直す方法もありますが、あまり間違うようなら、お茶でも飲んで気持ちを落ち着けて、新しくやりなおしましょう。
精神の集中、そして平常心、写経ではこれが一番大切です。
●手先がうまく動かない▶︎▶︎塗り絵
文字を書きましょうとオススメしてきましたが、いろんな理由で「手先の器用さは追求したくない」方もいらっしゃると思います。
細かい文字はむずかしくても、塗り絵なら大丈夫です。
塗り絵には、大きく分けて2つのパターンがあります。
風景や花のように、ある程度「選ぶ色の正解」があるものと、曼荼羅のように図形だけで構成されていて、配色が決まっていないものです。
イメージを膨らませて、脳を活性化するなら「配色が自由なタイプ」がオススメですが、ストレスなく続けられるのが、塗り絵のいいところです。
出来上がりを想像しながら楽しんでください。
塗るものも、今は色鉛筆や絵の具だけではありません。
発色の良いマーカーだと、さらに仕上がりが鮮やかになって、同じ絵でも雰囲気が変わります。
水性ペン クリッカート LT12色セット
ゼブラからは、こんなキャップのないタイプも出ています。
キャップの扱いが大変な方には、とても便利です。
四季織マーカー[水性]全20色
こちらはセーラー萬年筆の四季織マーカーです。
万年筆用ボトルインク全20色を水性マーカーにしたものです。
インクカラーは日本の四季をイメージした各5色の計20色。
微妙な色合いが、とてもきれいなマーカーです。
他にも、いろんなメーカーからカラーペンが出ています。
マーカーを選ぶ際の注意点は、裏移りと匂いです。
どこにでも書ける油性ペンだと、用途は広がりますが、独特の匂いがして、長時間使えないこともあります。
できれば、書店や文具店のサンプルで確認してみましょう。
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今回は、書いて「脳を活性化」する方法についてご紹介しました。
日頃から「書くこと」を習慣化することで、文字も上達しますし、書きまちがいや「思い出せない!」と悩むことも減ります。
書くことが楽しくなったら、しめたものです。
ぜひ、今後のために、そして今の楽しみのために、はじめてみてください。
■ 参考サイト ■
脳を活性化させる書写の効果[Active Brain CLUB]
【記憶の脳科学】なぜヒトは覚え、忘れるのか[脳科学メディア]