つい先日、2020年10月5日の朝日新聞デジタルに、九州大などの研究チームが、「歯周病が認知症の原因となる仕組みを解明した」とのニュースが掲載されました。
ご覧になりましたか。
もともと、歯周病は口の中だけではなく、全身にその影響がおよぶ病気と言われています。
認知症のほか、呼吸器、心臓系の疾患、糖尿病の悪化、妊娠中の母体や胎児への影響などです。
はじまりは、口腔内です。
歯周病菌と呼ばれる十数種類の病原菌が増殖して、歯ぐきなどに炎症を起こします。
原因となる菌自体はもともと口の中にいますが、数百種類いるといわれる口腔内の菌の一種にすぎません。
歯周病菌が増える原因の多くは、プラークと呼ばれる菌の塊にあります。
歯磨きや歯ブラシのCMで「プラーク」という言葉を聞いたことがありませんか。
この歯についてしまう菌のかたまりは、落とすことがむずかしく、適切なブラッシング(ブラシでかき落とす)が必要になります。
原因となる菌が増殖して炎症が進むと、歯ぐきの血管から、病原菌や毒素が全身に運ばれます。
そこで他の病気を引き起こしたり、悪化させる可能性があるのです。
今回解明されたのは、血管内に入り込んだ原因菌や毒素が、どうやって認知症に繋がるのかという仕組みの、さらに詳しい部分です。
言い換えると、きちんとブラッシングができて、プラークが落とせれば、歯周病のリスクは低くなりますし、ひいては認知症予防をふくめ、体全体のためにもなります。
「きちんとブラッシング」が意外と面倒だと、みなさん思っていらっしゃるかもしれませんが、毎食後でなくていいのです。
できれば、寝る前に、1日分きちんと磨ければ大丈夫です。
毎食後、なんとなく不十分な歯磨きをするよりは、その方が効果があるそうです。
■ 基本の磨き方 ■
- 歯ブラシを持つ時は親指・人差し指、中指の3本くらいで
- 歯は1〜2本ずつ磨く
- 力は入れず優しく小刻みに動かす
- 根元に対しては45度の角度、無理に押し付けたりしない
大切なのは「何分みがいた」という時間ではなく、ちゃんと全部の歯にブラシがあたることです。
さらに、歯と歯の間は、歯間ブラシや部分磨き用のブラシ、フロスなどで掃除します。
以前書いた記事で、最近の「歯磨き事情」についてご案内しました。
今は予防に重点がおかれ、定期検診が推奨されています。
とくに歯周病に関しては、自覚がないことも多く、防ぐための歯石の除去や歯周ポケットの掃除も、自分ではできません。
半年に一回くらいは、何もないと思っても歯科検診を受けたほうが、いざという時にも早期発見治療につながります。
人体や病気については、いまだ研究されていることがたくさんあります。
これからも、まだわかっていない色んな事が、ある日解明されて、私たちに新しい治療法や予防法を教えてくれるかもしれません。
とはいえ、今できる歯周病予防の最善の方法は、地道な「正しい歯磨き」です。
今夜からしっかり磨きましょう。
ちなみに、鏡を見て磨いた方が、集中して丁寧に磨けます。
ぜひ、やってみてください。
▼ 参考にさせていただいたサイト ▼
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