最近、「老眼」を意識したことはありませんか?
近くが見づらくなった。
ピントが合わない気がする。
あるいは、ピントが合うまでに、ちょっと時間がかかってしまう。
もし、「あるある!」と共感していただけるなら、目の機能がちょっと低下しはじめているかもしれません。
今回は目の機能の衰えをカバーしてくれる、そんな栄養素についてご紹介します。
積極的に摂ることで、生活の中の「見る機能」が改善されるかもしれませんよ。
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老化の始まりは40代
目の構造は非常に複雑で、少しカメラと似ています。
それもとても優秀なカメラです。
いつでも瞬時に、あなたが思った物にピントを合わせることができるのですから。
本物のカメラのように、撮りたいものを決めて「狙う」という作業もありませんし、スマホのように、指でタッチしてピント合わせする必要もありません。
顔を動かす必要すらなく、「視線をチラッと向ける」だけで、対象物が特定されてくっきりした画像になるのです。
素晴らしい機能です。
ところが、その機能は、40歳代から衰えはじめます。
いわゆる「老眼」の始まりです。
でも実は、この老化は目の機能に限ったことではありません。
ヒトという生き物は、30代後半あたりから(身体の敏捷性や平衡機能などはもっと早くから)衰え始めるのです。
老化と呼ぶには、まだ早い年齢ですが、この先何十年もあるのですから、なるべく機能保つ努力はしたいところです。
視覚情報の重要性
普段、得る情報の約8割を視覚に頼って私たちは生活しています。
薄暗くなっただけで事故の確率が上がり、夜の停電などで視界が奪われると、判断力にも重大な影響を及ぼします。
それだけ頼りにしている情報なので、見え方や機能に不安を感じるようになると、日常生活において、かなりの負担になります。
例えば、手元の伝票や資料と、パソコンの画面を交互に見る場合です。
ノートパソコンでもやりづらくなりますが、デスクトップだと大変なことになります。
ブログの管理人yamakoの職場で、伝票入力している女性がいます。
彼女は、手元は老眼鏡、デスクトップPCのディスプレイは裸眼の距離なので、かなりやりづらいそうです。
遠近両用のメガネやコンタクトでも、ピントを合わせられる範囲が限られるので、自分で微妙に屈んだり離れたり、忙しいのです。
最終的には、先ほどもお話したメガネやコンタクト、あとは工夫で乗り切るしかありません。
なるべくそうならない、あるいは、なる時期を遅らせることができればベストです。
ですが、今の時代、とにかく視覚情報が溢れ、勉強も、仕事も、娯楽も、何もかもすべてが視界から得られる状況です。
目を休めることもままなりません。
以前、こんな記事で目を休める方法をご紹介しました。
- 遠くを見る
- できれば温めたりしながら目を休める
- 部屋を明るくする(画面だけではダメですよ)
- 近くを見るときには、適正な距離・姿勢を保つ
- 目の疲れをほぐすマッサージ
- 必要な栄養素を積極的に摂る
簡単なようですが、心がけないとなかなか身につきません。
視力を落とさないために、目の疲れを緩和するために、日々気をつけてみましょう。
目のために摂るべき栄養素
「目にいい」と言われている栄養素はいろいろあります。
みなさんも、子供の頃にはニンジンをよくススメられませんでしたか?
大きくなるにつれて、ニンジンの他にブルーベリー、うなぎなどでしょうか。
もちろんすすめるのには、ちゃんと理由があります。
まずは一般的な栄養素についてご紹介します。
ビタミンA(ベータカロテンやレチノールと呼ばれたりもします)は、緑黄色野菜に多く含まれています。
目の粘膜の健康や、薄暗いところでも見えるような機能を保ってくれます。
ニンジンやうなぎはここに含まれます。
ビタミンB群は粘膜を保護してくれたり、神経や筋肉の疲れをとってくれたりします。
ビタミンCは皮膚や粘膜のコラーゲンを作るために必要な栄養素です。
さらに毛細血管を強くする作用もありますので、目の充血予防も期待できます。
他に亜鉛やビタミンEも有効とされています。
つまり、基本的には、さまざま栄養素をきちんと摂りましょうということになります。
40歳からは目のためにさらに積極的に
40代に入ったら、今まで以上に、目の栄養には気を使って欲しいところです。
『疲れ目や目の働きじたいを積極的にサポートしてくれる成分』を意識して摂るようにしましょう。
とくに目の健康が気になるあなたにオススメの成分があります。
ルテイン
もしかしたら、聞きなれない成分かもしれませんが、ほうれん草に多く含まれています。
多くの眼科の先生が「黄斑変性症」の予防として、禁煙やサングラス着用などと並んで、各種ビタミンとルテインの摂取をすすめています。
黄斑変性症は目の中で起こる病気です。
視界の中心部が歪んだり、黒くぼやけたりします。
もし、今現在、この症状に心当たりがあったら、まず眼科で相談しましょう。
サプリメントで治すことはできません。
積極的に治療が必要な病気です。
ルテインじたいが目の中の「黄斑部」の構成物質です。
ルテインは色素を増やし、それにより光の刺激から目を守ってくれます。
さらに、コントラスト感度を改善する機能もあります。
白と黒のように識別しやすい配色でも、その濃淡で視力が変わってしまいます(対比視力といいます)。
また、明るさがじゅうぶんでないと、若くても視力(低照度下視力)は落ちますが、歳とともにその落差が大きくなってしまいます。
ルテインを摂ることで、より見やすくなる可能性があります。
ゼアキサンチン
ルテインと同じく、黄斑部を構成する物質です。
濃い緑色の葉物野菜に多く含まれています。
ほうれん草やケールなどで、ルテインとゼアキサンチン両方を摂取できることになります。
DHA
DHAは、不飽和脂肪酸と呼ばれる油で、体内で作ることはできません。
EPA(ともにオメガ3脂肪酸のグループです)とともに、青魚に多く含まれます。
DHAは体内でもとくに目に多く含まれ、目のレンズの構成成分のうち約80%を占めます。
脳神経や網膜・視神経などの重要な組織にも多く存在する大切な成分なのです。
アントシアニン
アントシアニンはルテインが登場するまでは、「目にいい成分」の代表格とも言える存在でした。
ブルーベリー、ビルベリーの他イチゴや赤いシソ、紫キャベツ、ナスにも含まれています。
今や補助的な成分になってしまいましたが、抗酸化作用や視る機能を改善する作用は期待できます。
ぜひ積極的に摂取しましょう。
アスタキサンチン
化粧品の成分として一気に有名になりましたが、オキアミやエビ、鯛、鮭などの赤色部分がアスタキサンチンです。
高い抗酸化作用や紫外線からの防御機能が話題になりました。
光から目を守ってくれるとも言われています。
肌だけではなく、体の中にも取り入れてみましょう。
老眼は予防できる?
「老眼を防ぐ方法はない」という先生も多くいらっしゃいます。
実際のところ、老化を止めることは出来ないのです。
ですが、たとえば歯や肌は、日頃の心がけで、ある程度良好な状態を保つことはできます。
毎日、そのときの状態が見てわかるからです。
一方、目はどうでしょう。
目の中を自分で見ることは出来ませんから、何かが起こらなければなかなか気づけません。
多くは「悪いことが起こってから」気づくことになります。
変化がわかりづらいからこそ、日頃の対策が何より重要です。
目のために、ふだんからできること。
それは[目に良いことをして、目に悪いことをしない]。
これに尽きます。
まずは、老化に対抗できる栄養素を摂ること。
その他に、ビタミンA、B群、C、Eと亜鉛などです。
食事やサプリメントを利用して、積極的に取り入れるようにしましょう。
日頃からできる簡単なトレーニングは、
- 遠くを見たり、近くを見たりする
- 目を閉じたり、開いたりする
- 首や肩をゆっくり回して緊張をほぐす
などです。
目も首や肩も、急激に動かしたりせず、ゆっくりと、じんわり効くくらいでちょうどいいのです。
くれぐれも無理はなさいませんように。
定期検診を受けよう
目の病気や老化は、多くの場合、痛みもなくゆっくりと進行します。
ゆっくりすぎて、自覚できないこともあります。
そのための定期検診です。
病気や老化に早く気付ければ、それに越したことはありません。
現状維持、予防も大切ですが、もしもに備えることも大切です。
目薬で予防や改善が期待できることもあります。
40歳をすぎたら、眼科検診も受けてみましょう。
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(余談ですが)近視の人も老眼にはなります
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
私yamakoは近視で、いつもメガネをかけています。
外せばすぐ近くも見えるので、「老眼ではない!」と胸を張っていましたが。
実は、遠近の調節に不自由するのが老眼なので、メガネを外さないと近くが見えないという状態も、老眼と言えるのだそうです。
眼科できいて、がっかりしました。
老化は仕方ないことです。
ですが、なるべく良好な状態を保てるように、頑張りましょうね。
参考文献:
生涯現役社会の実現につながる高年齢労働者の安全と健康確保のための職場改善に向けて(中央労働災害防止協会)
栄養成分百科[ビタミンA:レチノール活性当量](江崎グリコ)
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』アスタキサンチン
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』ゼアキサンチン