こんにちは。
医薬品登録販売者のyamakoです。
お世話になっているHatenaBlogさまの今週のお題「急に寒いやん」です。
前回もお題に参加するかたちで、『体の冷えには紅茶がいい』という記事を書かせていただきました。
コーヒー大好きな方も多いと思いますが、冬には紅茶やココアも飲んで、体の中から温まりましょう。
そして、今回は『そもそも、体が冷えるとどうなるの』というお話です。
「体が冷えるとよくない」とは言いますが、結局、何が悪いのでしょうか。
具体的な例と、その対策もご紹介したいと思います。
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体が冷えると何が起こるのか
体が冷えると、体の中では何が起こるのでしょうか。
それはずばり『保温』です。
体内のいろいろな臓器にとって、適温は37度前後です。
37度くらいの状態が保たれることで、臓器や免疫の機能もじゅうぶん発揮されるのです。
寒くて体温が下がりそうだなと感じたときに、体は血管をぎゅっと引き締めて、熱を逃さないようにします。
実際は血管どころか、姿勢そのものが丸く小さくなって、外気に触れる面積を減らそうとしますよね。
この血管の収縮がおこると、血液の流れが悪くなります。
血流が悪くなるというのは、体にとってはあまりよくないことなのですが、体も必死です。
とにかく温度を保ちたいのです。
冬に起こりがちな3つの出来事
冬になると、日本のほとんどの地域では寒くなります。
そして寒いとあまり出かけたくなくなります。
家にいると間食が増えたり、外出先でも温まろうと摂取する食物が増えます。
この『寒い』『動かない』『食べすぎる』という3つが、冬の冷えた体に追い討ちをかけることになります。
先ほどもお話しましたが、『寒い』だけで血管は収縮して血の流れが悪くなります。
さらに『運動不足』になると、ますます血流が悪くなります。
『血液』ときいただけでは、イメージがわきにくいかもしれませんが、血液はとてもたくさんの仕事をこなしてくれています。
血液が心臓から出てかえってくるまで、一周30秒くらいです。
その間の仕事は、
かつ、体内を巡りながら、体温と水分をコントロール、異常があればそれに対処してくれます。
怪我をすればフタをし、細菌がいればやっつけ、異物があれば抗体を作って防御します。
『血流が悪くなる』ということは、こういった仕事が滞るということなのです。
一方、『運動不足』と『食べすぎ』が重なると、表面的にも脂肪がつきますが、血液の中でも脂肪分と糖が増えてきます。
これは冬に限ったことではありません。
過剰な脂質や糖をかかえた血液は、血管の中にかたまりを作るきっかけになってしまいます。
血のかたまりは『血栓』と呼ばれ、心筋梗塞や脳梗塞の原因となります。
日本の住宅も冬が苦手
最近の住宅は、気密性が高く、家の中の温度も安定していることが多くなりました。
建物内のしきりが少なく、家のどこでもあまり温度が変わらないという住宅もみかけます。
ですが、一般的な日本家屋は、トイレや浴室が北側の陽の当たらないところにあり、かつ暖房設備がないことがままあります。
みなさんは、『ヒートショック』という言葉をきいたことがありますか。
暖かい場所から、急に寒い場所に移動した時におこる症状です。
それ自体が病気ということではなく、ヒートショックをきっかけに、気を失って転倒したり、浴槽の中で溺れてしまったり、脈拍が乱れて苦しくなったりします。
暖かいところから、急に寒い場所に移動して、かつ服を脱いでしまったりすると、血管が収縮します。
血管がギュッとしまると、血液が通りにくくなるので、血圧が上がります。
そこでまた急に、熱いお湯につかったりすると、血管が拡張して、血圧が下がるのです。
急に血圧が下がると、血が行き渡らなくなってしまうので、ふらついたり、気を失ってしまったりします。
もともと高血圧などの持病があると、そもそも急激に血圧が上がることじたいが危険です。
持病がない方でも、血管がぎゅっとなったり開いたりするのは自然なことなので、転倒などの危険は避けられません。
予防するには、
- 脱衣所や風呂場を暖める
- 食事の直後やお酒を飲んだあとは血圧が下がりやすいので注意する
- お風呂に入る前と後には水分補給
- 入浴するお湯の温度は40度以下で
高齢の方や持病のある方はもちろんですが、若い方も過信してはいけません。
目の前がチカチカしたら、とりあえずしゃがんで転倒しないようにしましょう。
浴槽から急に立ち上がるのも危険ですから、手すりなど使ってください。
健康な人は、ちょっと静かにしていれば、すぐに改善されます。
水分補給も忘れずに。
寒さに勝つための傾向と対策
体の冷えの原因は、気候以外にもいくつか考えられます。
- 熱を発生させる筋肉量が少ない
- 運動不足
- 食事量が少ない
- ストレス
- 喫煙
- 首や手首足首が冷える状態
他にも、更年期障害や自律神経の病気が原因のこともあります。
女性はとくに、ダイエットのために食事量を減らしていたり、ファッション重視で薄着になってしまったりしがちです。
糖質をエネルギーに変換してくれるビタミンB1は豚肉から、血行を良くして熱をつくってくれるビタミンEはナッツ類やうなぎ、たらなどから摂取できます。
生姜や唐辛子も活用しましょう。
もちろん、寒さをしのぐために高カロリーなものを食べがちな方は、食事量と内容に気をつけて下さいね。
冬でなくても、脂質や糖の摂りすぎは体によくありません。
服装による寒さ対策も有効です。
首や手首足首など、大きな血管が通っている場所を温めるだけでも、体温を保つことができます。
制服があって、服装の工夫がむずかしいときは、背中や腰、お腹など、内臓をカイロで温めるようにしましょう。
漢方でおなじみのクラシエさんのサイトで、カイロを貼る場所がくわしく解説されています。
風邪予防には背中、体全体を温めるには腰、お腹を温めるにはおへその下がいいそうです。
くわしくは、サイトをチェックしてみて下さい。
さて、最後は血液のめぐりをよくするための運動です。
運動することで、血流がよくなりますし、熱を生み出す筋肉量を増やすことができます。
効率よく温まりたい方には、下半身の強化がおすすめです。
下半身には大きな筋肉が多く、足腰が鍛えられると歩くこと、階段の上り下りも負担にならなくなります。
日常でも役立つ筋肉なのです。
ふだん運動しない方は、その場での足踏みやスクワット、ラジオ体操からはじめてはいかがでしょうか。
室内でも簡単にできます。
毎日すこしずつ続けてみましょう。
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今回は『体が冷えるとどうなるのか』という内容で、いろいろご紹介しました。
血液がじゅうぶん巡らないと、体も硬直しますし、そのぶんケガもしやすくなります。
内臓への影響だけでなく、日常生活でも「面倒だな」と感じたり、やる気もなくなる傾向があります。
『冬季うつ』という言葉もある通り、人間は寒さにはちょっと弱い動物なのです。
ですが、人間には創意工夫する知恵があります。
まだ冬ははじまったばかりですが、食べ物と運動で、たのしく寒さを乗り切りましょう。
それでは、また。
● 参考サイト ●