目の疲れはやっかいです。
いろいろな原因で起こりますし、寝ても治らなくるなると、それはもう立派な『眼精疲労』です。
今回は、「目の疲れ」の原因と、いますぐにできる解消法、予防するための対策をご紹介します。
文章を読むのがすでにツライという方は、目次から必要なところだけ見てくださいね。
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原因は日常のなかにある
目が疲れる原因は、そもそも日々の生活の中にあります。
起きてから得る情報は、ほぼ目から、です。
テレビを観ますし、新聞も読みますし、スマホもチェックして、パソコンも使います。
料理も車の運転も、日常のほとんどの部分を「目」に頼っています。
目は働き者です。
ただ、みんながみんな、「目が疲れる」と感じているわけではありません。
目が働く環境を整えることで、疲れは軽減されます。
目の疲れが気になる人は、言わば「目のための働き方改革」が必要です。
目が負担に感じているコト
それでは、あなたの目が負担に感じていることは何でしょうか。
目の疲れの原因となることはどんなことでしょうか。
思い当たることはありませんか。
- 姿勢が悪い
- 部屋が暗い
- メガネやコンタクトレンズをずっと調整していない
- 以前よりピントが合わない気がする
- ストレスがたまっている
筋力がない人は、きちんとした姿勢を保つのが苦手です。
自覚がなくても、時間とともにどんどん楽な体勢に崩れてゆきます。
部屋が暗くても最初は気になりませんが、暗い中で文字を読む、発光している画面を見続けるのは、目にとっては大変な負担になります。
メガネやコンタクトレンズは、定期的に検査が必要です。
視力と合わなくなっていることもありますし、メガネやコンタクトレンズ自体に歪みや変形などの異常が起こっている可能性もあります。
とくにメガネは左右のツルの高さや、鼻当ての部分に注意が必要です。
「なんか見えにくいな」と思っていたら、いつのまにか老眼になっていた、あるいは目の病気になっていたということもあります。
見え方が変だなと感じたら、眼科の受診をおすすめします。
とくに視界のどこかが欠けている状態は緊急事態です。すぐに眼科に行きましょう。
ストレスは体の機能に、いろんな影響を及ぼします。
悪いことばかりではありませんが、過度の緊張は血流を悪くします。
筋肉も硬くなり、姿勢が悪くなる原因にもなりかねません。
この症状は目からのSOSと知るべし
こんなことは、ありませんか。
- 目の周りがピクピクする
- 目の中がゴロゴロする
- 目がやたらとかゆくなる
- 目が乾く
- 目や周辺を指で押したくなる
- 目を閉じたくなる
- 眩しく感じる
- 青い空や白い雲、緑の山を見たくなる
こんな症状が出たら、まずは一休みしましょう。
気合いや根性では乗り切れない状態です。
目の構造はとても複雑で、デリケートです。
しかも「目」を体の筋肉のように強化するのは、とても大変なことです。
運動選手で目の機能向上に取り組んでいる人もいますが、そのようなトレーニングは目の酷使とも言えます。
目の疲れをほぐす方法
それでは、今、つらい時にどうすればいいのでしょうか。
簡単なのは、「モノに頼る」ということです。
→目薬
目薬にも種類があります。
一般的な疲れ目の目薬の他、ピント調節に特化したもの、乾き目のために涙を補充するもの、とにかく充血をとるものなどです。
ここからは、目薬の種類と特徴などを紹介します。
充血に効く目薬
[目の充血の原因となっている毛細血管をキュッと引き締める成分が入っています]
バイシン :とにかく「充血を取る」ことに特化しています。ですので、疲れ目でお探しの人は、選択肢から外した方がいいでしょう。
ロート ナノアイ クリアショット :充血をとる成分の他に、炎症を抑える成分も入っています。特徴は一滴がとても小さいことです。アイメイクを崩したくない人にはおすすめです。
スマイルホワイティエ :充血に効く成分と、かゆみや目の疲れを癒してくれる成分が入っています。
ピント調節のための目薬
[目の中のレンズの調節している部分をほぐして、機能を改善してくれます]
ロート製薬 アイストレッチ :目薬のパッケージが図解としてよくできています。目の機能を改善する成分が一緒に入っています。「アイストレッチ」には他に、コンタクトレンズ対応のものもあります。
マイティアピントケアEX :ピント調節の改善成分とかゆみ止めや炎症を抑える成分が入っています。スッキリするクールタイプとマイルドなタイプがあります。
目の乾きを癒す目薬
[不足している涙を補充して不快感を軽減します]
参天製薬ソフトサンティア :多くの場合、眼科で処方されるのもこのタイプ(防腐剤無配合)の目薬です。「目が乾く」「(何も入っていないのに)ゴロゴロする」人は使ってみましょう。
ロート養潤水α :こちらは涙成分を補充するのではなく、積極的に水分を保とうとするタイプです。パッケージから「寝る前にさす目薬」と思われがちですが、1日5〜6回は点眼しましょう。
新ロートドライエイドEX :こちらも水分を保持するタイプです。とろみに特徴があり、添加物としてですが、ゴマ油やベルガモット油、ペパーミントオイルなどが入っている変わり種です。
疲れ目の目薬は多機能
[疲れ目用の目薬はビタミンなどを中心に色々配合されています]
Vロートプレミアム :文字通り「高機能眼科用薬」です。今まで紹介してきた成分はほぼ配合されています。市販の目薬をいくつも使うと成分が重なることがあるので、「オールマイティーな目薬を1つだけ使う」というのがおすすめです。
スマイル40 プレミアム :同じようにオールマイティーな目薬ですが、ビタミンA(レチノール)が配合されているのが特徴です。目の保水機能を改善する成分で、加齢による目の疲れにも効果が期待できます。
効果的な使い方は、その目薬の使い方をきちんと守ることです。
意外と目薬の用法用量を守らない方が多いようですが、1日のさす回数は多いものだと6回です。
気づいた時にさすのではなく、1日の目薬の時間をきちんと決めて使用することで、薬の効果を最大限に発揮できます。
→マッサージとツボ押し
気分的に楽になるのが、マッサージやツボ押しです。
意識していなくても、知らず知らずに手がいっていることがありますよね。
それぞれの色のポイントを指の腹で圧迫してみましょう。
あくまで、やさしく圧力をかけるだけです。
ギュウギュウ押すのは逆効果です。
神経や組織を痛めてしまい、違う意味で痛みの原因になります。
ツボ押しグッズで人気があるのは、首や肩のコリをほぐしてくれるタイプです。
なかなか手が届かなかったり、自分で押しているとかえって腕が疲れてしまうこともあります。
首・肩・背中用など、いろんな商品がありますから、本来ならお店の見本で試していただきたいところです。
今は100円ショップなどで、とりあえず買ってみるというのもいいかもしれません。
いずれにしても、ツボ押しやマッサージは、痛みを感じるほど強くしては逆効果になります。
気をつけましょう。
→とにかく温める
血流を改善するためには、温めるのが一番効果的で、即効性があります。
目や肩を押すと痛みがあるという人は、押すのはやめて、温めましょう。
▲花王の『蒸気でアイマスク』は使い捨てですが、どこでもすぐに使えます。
香りも色々あって、香りによるリラックス効果も期待できます。
▲使い捨てがもったいない、使うのは主に自宅という方は、中に小豆やジェルの入ったタイプがおすすめです。
温めるためには電子レンジが必要です。
何度も繰り返し使えて、部位別にさまざまな大きさや形があります。
電子レンジを使うなら、ふつうにおしぼりを作る方法もあります。
濡らしたハンドタオルをよく絞り、ビニール袋に入れてレンジにかけます。
熱くなりすぎることがあるので、最初は少しずつ加熱しましょう。
取り出す時も、火傷には気をつけてくださいね。
お化粧が落ちるのが嫌なら、ビニール袋に入れたまま目の上にのせます。
何度も言うようですが、くれぐれも火傷には気をつけてください。
目が疲れないように改善する
ここからは、「目が疲れる」という状況にならないために、日頃からできる対策をご紹介します。
疲れが出てしまったあとでも、楽になるかもしれません。
→体を動かす
具体的に言うと、全身運動で、かつ目に過剰な負担がかからないラジオ体操やストレッチが最適です。
ヨガ、太極拳、バレエストレッチなど、体調や体の状況によって考えてみましょう。
新型ウイルスの心配がなくなったら、もちろんジムやジョギング、テニス、ゴルフ、いろいろ挑戦できますね。
ここで気をつけて欲しいのは、目、首、肩が気になるからといって、そこだけを集中的に動かすのは、やめておいた方がいいということです。
筋トレのように部位別も効果はありますが、あまり負荷がかかると、痛みがひどくなることもあります。
部分的にやるときは、肩を回す、首をゆっくり傾けるなど、急激な動きではなく、かつ反動をつけない運動がおすすめです。
→環境を見なおす
過ごしやすい部屋が目にもいいとは限りません。
わざわざ椅子やテーブルを買い換えなくても、すぐに出来ることがあります。
- 部屋を明るくする
- 見ているものとの距離を保つ
- パソコンやスマホの画面を調整する
明るすぎても目が疲れますが、暗いと目にいいことはありません。
パソコンやスマホの画面の明るさや文字の大きさをマメに調節することも、目の負担軽減につながります。
とくに今は外出をなるべく控えて、部屋にいることが多いと思います。
どんな素敵なお部屋でも、近くを見る機会が多いと、目は凝ってきてしまいます。
できれば1日数回は、遠くを見る機会をつくりましょう。
→目にいい食べ物を意識する
具体的には、ルテイン、アントシアニン、アスタキサンチン、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンCなどです。
とくにルテインはブロッコリーやほうれん草、キャベツ、レタスで摂ることができます。
アントシアニンはブルーベリー、ぶどう、ナス、黒豆などに多く含まれています。
すぐに症状が改善するというわけではありませんが、日頃の食事で続けて摂ることが大切です。
これらの成分をちゃんと補給できれば、目の疲れを軽減できるかもしれません。
サプリメントもご紹介します。
ロート製薬 V5粒 目のサプリメント :目薬のようなパッケージのサプリメント[機能性表示食品]です。目薬に強い製薬会社さんのこだわりがつまっています。口コミでも評判がいい商品です。気長に続けてみましょう。
ディアナチュラゴールド ルテイン&ゼアキサンチン :内容的にはロート製薬V5と似ていて価格が抑えられています。こちらも[機能性表示食品]のサプリメントです。
サプリメントも「たくさん飲んだらよく効く」というわけではありません。
1日の目安量は守りましょう。あくまで基本はバランスのよい食生活です。
目の疲れとストレスの悪循環から抜け出す
すぐにできる「疲れ目対策」、ぜひお試しください。
簡単ですが、習慣を見直して、さらに生活の中で気をつけることで、疲れ目の軽減につながります。
本当なら、好きなことを全力で楽しめれば、目の疲れなんか吹っ飛ぶはずです。
ですが、今の状況ではそれもままなりません。
とにかく目の疲れとストレスの悪循環から抜け出せるように、できることをやってみましょう。
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